TOMMYその後

日本語版TOMMYがあまりにスジが分からなくて不完全燃焼だったので
DVDでケン・ラッセル版TOMMYを見る。


まあ、TOMMYが出てくるまで長いのは一緒だけど、映像で楽しませるし、
いろんなことが腑に落ちた。
お話の展開の動機が荒いのは元々らしいが、THE WHOが出て(キース・ムーンは変態オジサンで)、クラプトンが歌い、ティナが歌い(こわい!子供の時に見たら絶対夢に出てきてうなされる)、もちろんエルトンも歌い、という付加価値要素が大きい。何に出ても「怪演」のジャックも専門医で出てきて、歌が上手だとは言えないが、やはり目の離せないステキなねっとりさを見せつける。
映画版は死ぬのが実の父で、それだと息子を売春宿のアシッド・クイーンのところへ放り込むのもすんなり分かる。養父がもともとホリデー・キャンプをやっていて、それでTOMMYが成功後「キャンプをやろう」という動機になるのも納得した。
母親が自分を責めて「ミラー」の歌につながるのも理解できたし、後半、TOMMYをあがめて集まった者たちが暴走し、家族を殺すまでも非常に面白く見られた。


いのうえ版TOMMYはブロードウェイ版を下敷きにしていて、そしてブロードウェイ版では死ぬのが実父でなく養父だというところですでにねじれが発生していたのだ。
e+のインタビューでいのうえ、ROLLY、湯川れいこが対談していて、湯川先生は「訳詞はリズム先行」「好きにいじって」と言ってますがやっぱりいじれなかったんだろうなあ… というのが感想でした。
唯一、訳詞がぴったり乗ってたのは右近健一が歌った「変態オジサン」の歌だが、これは訳詞に名を連ねた右近自ら訳詞したんだろうなあ〜。