「イヌの日」阿佐ヶ谷スパイダース@本多劇場

大変面白かったです。
2000年初演時にはなかったというお母さんの役。これがなかったなんて信じられない。


しかし17年、防空壕に閉じこめられていた子供達が、外部からの知識によってしか性の目覚めを起こさなかった、というのは長塚の理想であるのだろう。しかも中の男子1人は拉致された時中2だったというのだ。ほぼ大人じゃん!


お話は長塚が女性に対して持つ「オンナは聖なる処女か、もしくは淫売である」という、言っちゃ悪いが割と子供っぽいルサンチマン爆発!という感じ。だけど今回は母親が歪みながらも息子を愛しているので、まだ救われる。


美保純は、立っているだけでだらしのないオンナ、という色っぽさが立ち上る。
大堀こういちという人も業の深い警察官の役で、ものすごく面白かった。
八嶋智人の演じた宮本は、人生に疲れてただ幼児退行したかったのだろうか。そもそも子供時代ってそんなに楽しかったかな。


しかし今回のパンフレットは1000円で各人の長いインタビューがついていて、ものすごくお買い得!
中山祐一郎が「ピローマン」で何であんなに下手だったのか!の謎もわかった(笑)
そして舞台を見て、これを読んでからなら、中2で女子と一緒に防空壕に閉じこめられて性の発露を見せなかったのも、中山ならまあいいか、と思えなくもない。