毒を吐く自由

ある有名な亀ちゃんファンの方のブログで、「何とか亀ちゃんの魅力で頑張って見てきたけどもう『サプリ』には辛抱たまらん!」と、具体的なダメ出しが書いてあった。
といってむやみに叩くのではなく、失礼な言葉もなく、ただ作品に対して真摯に向き合った視聴者としての意見が書かれてあり、私が読めば「至極ごもっとも!ここまでよく我慢なされた!」と自然と武士っぽい言葉で称えたくなるようなものであった。
そこには(有名ブログだし)あっという間に数十件のコメントが寄せられて、それらは大まかに分けると①「よく言った!まったく腑に落ちた!」的なもの、②「私には3話が一番わかりやすく、面白かった」的なもの、そして③「せっかく亀ちゃんの出ている番組なんだから、いろいろ言わないで楽しみましょうよ〜」といったもの、の3つがあったように思う。
私はこの①の意見だが、②の意見にはまったく考えさせられ、③には回し蹴りをカマしたくなった。有名ブロガー(金になるわけでもないのに、仕事も忙しいそうなのに、ほぼ毎日更新。毎日真摯に亀ちゃん+αについて考え、読みやすい文章にしている人)には毒を吐く自由もないのかよ、と気の毒になった。ちょっと口を出したい人って大勢いるんだよ、偉そうに。


ちなみに「サプリ」というドラマは、小学生向けに「CM業界のかっこよさを描きつつ、ラブと仕事の両立に悩む大人を描きました」的な、私は本当に「ケッくだらねえ」と思うベタベタなドラマだ。主人公の伊東美咲はきれいなだけのお人形さんで、脚本のマズさもあいまってまったく魅力がない。本当にマンガだ。まるで人間のニオイがしないのだ。が!!、そこを亀ちゃん、佐藤浩市を中心に、脇を固めるキャストの魅力で何とか見せている。(一番おいしいのはチームNACS佐藤シゲのゲイキャラだろう。あれは良い役だ。)


以上をふまえた上で、このベタベタな設定の「サプリ」1話、2話を「わかりにくい」と思う人間が少なからずいるということがショッキングであった。わかりにくい要素は、ほぼCM制作の業界用語だけであり、しかもそれは劇中でうるせー!っつうくらいに解説されるのだ。つまり「わかりにくい」のではなく、見る側が「知らない世界を理解するのをハナから拒否している」だけだとしか思えないのである。ひぃいいいい。こんな子供みたいな客を自分の水飲み場に引っ張ってって水を飲ませなきゃ生き残れないのか月9。本当に小学生向けに作るつもりじゃないとダメなんだな、月9。ドラマを作る方にしたらコミュニケーション砂漠だな。まあ、こんなの月9だけじゃないと思うけど。どんな手の込んだ料理を用意しても売れるのは結局ケチャップ御飯なのだ、みたいな。見る側の舌が幼稚過ぎる。


ちなみに③の意見の者には跳び蹴りを食らわす。③は「せっかくの運動会なんだから、順位なんかつけずに楽しくみんなでゴールしましょうよ〜」精神のヤツだ。出演者にも、制作陣にとっても、一番失礼なヤツだ。そして好きだからこそまじめに見て、まじめに怒ったり悩んだりしてる人(上の人気ブロガー)に対しても。その失礼さを自覚してないのがまたたちが悪い。


そして最後に、私から「サプリ」にダメ出し。
「お前ら皆、手動かしてなさすぎだから!とりあえず仕事しろ!」