KAT-TUNスプリングツアー2006@横浜アリーナ 初日

一部。彼はものすごい決意の表情で現れた。何を言われようと甘んじて受け止めようという表情。エンターテナーとして、そして責めを受けるものとして、彼は舞台に立っていた。一生懸命やらなきゃいけないと思うほど余計な力が入って手足が伸びない。これまで30ステージ近く踊ったはずのソロ曲のカウントを取り損ねる。曲中のセリフ、全国の女子に悲鳴を上げさせてきた蠱惑的な一言「会いたいよ」が出ない。

私はもう、最初の顔を見ただけで、「解ったよ」と言ったのに。もう悲しむのはやめる。大事な彼は泥まみれになったけど、純白の蓮の花を咲かそうとしてもがき苦しんでいるのが見えたから。


しかし空回りしながらもがく彼の姿に胸がいっぱいで声も出ず、私はただ息を詰めて見ていることしかできない。


MCでメンバーが盛り上げる。彼は調子に乗るわけにいかないが、黙っているわけにもいかない。言葉とトーンを選び、慎重に話す。まだ歌っているほうが楽なようにも見える。


後半で問題の、田口とのデュエット曲。まるで「禊ぎ」のように、客席のど真ん中に姿を現す彼。無数に伸びる手に引っ張られ、引っかかれながら、客に一番近いところで歌う。


それでも彼が目を向ける先はどこも必死に名前を叫び、笑顔で手を振るファンばかりで、彼の表情も少しずつ軟らかくなる。


そしてショーは進み、最後の挨拶。彼は最後だ。
先の5人が挨拶する間、また硬い表情に戻り奥歯をかみしめている。何度か大きく息をつく。かなり緊張している。
ついに彼の番。「こうして皆さんの前で歌えることが本当に幸せなことだと実感しました。これからもよろしくお願いします」と言った。


やっぱりこの人は正直な人だなあと思った。頭も良いし、計算もする子だけれど、やはりまっすぐな人だと思った。


二部。彼は吹っ切れていた。今度は適度にリラックスした状態で、ベストをつくそうとしているのが見てとれた。固かった踊りが彼本来のキレとしなやかさを取り戻した。いつも以上に客席を一生懸命見回し、笑顔を見せている。見ているこちらも一気に緊張が解ける。ようやく胸のつかえがとれて、大きな声で名前を叫んだ。


MCで彼が吹っ切れた原因が分かった。社長が見に来ていたのだ。(多分、一部を見た社長が「YOU、気持ち伝わったよ」とでも言って彼を免罪してやったのだろうw)メンバーからも「ジャニーさん、究極の癒し系だよね」と話題になる。


あとはいつもの、楽しいコンサートになったが、楽しいときはあっという間に飛び去り、また本編最後のあいさつ。彼はもう一度、人前に立てることのうれしさを語り、「今後もすえながーーーーく、お願いします」と言った。すえながーーーく、の部分で、あまりに心をストレートに言葉にしてしまったのがおかしくなったかのように、ちょっと吹き出していた。


というわけで今日は亀梨和也とファンにとってはちょっとした記念日になった。本当に今日の一部二部を目撃できて幸せだった。明日以降、騒動から初めて彼に会うファンにも同じ幸福が訪れることを願う。



てなわけで。
愛は悲しみに打ち勝ちました!
亀梨和也よ、人生を楽しめ!私も楽しむ!
明日も二部を見てきます!