“寝太郎の新作カレー” 動物電気@本多劇場 

12年目にして初本多とか。
猫のホテルの客演で辻修や小林健一を見ていたが
動物電気自体を見るのは「わんぱくカルシウム」以来2度目。
本多が埋まるのか、と心配していたがほぼ満員。八嶋智人も見に来てた。
HPを見る限り、公演後半は売り切れそうだ。だって面白いんだもん!


三鷹でやった多分猫ホテ主催の「座長まつり」に政岡泰志が出ていて、
座長対談の時に椅子に座ったまま、足でイスを後ろに押し
「わ〜!イスが勝手にはけていく〜!」という文字で表してもなんとも面白くないギャグを見て
涙を流して笑って以来、気になっていたのだが、もう劇団結成12年にもなるそうで!
前回「わんぱくカルシウム」はとにかく死ぬほど笑ったという記憶しかなく、
今回も笑ったけど、ストーリーに割とちゃんとオチがあったのに驚く。
あら、こんなにきれいにまとめちゃって!という感じ。
友達に聞くと、前回もちゃんとオチはあったそうで。そら失礼。


カレーを作ればとにかくうまいが、すぐ「めんどくさい」と仕事を休み、ホームレスとの「面白」対決に流れる男(小林)が、「責任」を覚えるまでのお話。


小林はふんどしで登場、あとブリーフ姿、最後は「面白」が出ずにミツカン酢の一気飲みの後、全裸で舞台をはける。
辻修は日本で唯一拳銃の携帯を許されていないダメダメ警官役。身長170センチ体重48キロだって!!!砂漠のトカゲ風の身のこなし。確か前も見たはずだが生の動きはすごい。
高橋拓自のドロップキックは今回も高い!ちょっと甘めのマスクでちょっとトウが立って、一昔前のいい男って感じ。それにしても、動物電気の「プロレス偏差値」はやけに高くて、今回もフライング・クロスチョップを見事に美しく決めていた。
そして逆を行くフェミ男風味の「虚弱王子」多田淳之介、フェミ男風ながら女にさんざんひどいことやってきたみたいで、「女なんて3日に1度、甘い物やっときゃいいんですよ」発言がすばらしかった。その甘い物が、「甘い言葉」やキスやエッチではなく本当に「甘い物」シュークリームや和菓子など、と判明して小林などモテナ男は愕然としていた。しかし彼の発言は真理である。ような気がする。
その他の人々もなかなか。
舞台上で政岡に「何か面白いことをやりなさい」と言われた馬場太郎だけがかわいそうなことになっていた。



しかし冒頭の政岡の紹介がひとっつも面白くなかったように、「面白」は文字ではとても表現しにくい!
だからクドカンの「タイガー&ドラゴン」が面白くないのはクドカンのせいではないのかもしれない。その証拠にキャラもちゃんと立ってるし、お話も毎回「なるほど」という着地点を見つけている。だから監督の演出力なのかな… それとも、これは最初から人情噺として作ってて、
特に面白くなくてもいいのかな…
期待していた荒川良々の回を見逃したので余計にふてくされるのであった。