「氷屋来たる」@新国立劇場小ホール

3時間半という長尺。


今までは「氷人来たる」と訳されていたオニールの戯曲。題名だけで勝手に「氷に閉じこめられた原始人が見つかって」みたいなジョン・ローンの昔の映画のスジを思い描いていた。
違うじゃん!なに「氷人」って!誰が訳したの!?


スターピースだけあって、非常に面白いお芝居だったーーー。やっぱすげえなあ。
後半のヒッキー(市村政親)には背筋が寒くなる思いがした。宗教による洗脳と同じだ。
ヒッキーによって「アホな夢を捨てろ」と洗脳され、逃げ道を奪われ、無理矢理立ち上がったが彼らは元々「アホな夢」を見るくらいしか生きる道がなかったのっだ、と自身に直面させられ打ちのめされた。
だがそのみんなが、ヒッキーが「狂ってた」ってオチで元気を取り戻すところなんかはやっぱり人間はしぶてえなあというのを感じさせた。
けしかけられて死ぬような元気があったのも、若かった岡本くんだけだ。


聖人のような嫁の無垢な瞳にいつも試され、逃げ場を奪われ、ついにはそれが嫁の平安のためだと言い訳して嫁を撃ち殺してしまったヒッキー。それを「嫁が氷屋くわえ込んだからだ」としか解釈できない一同。
んん〜。痛いねえ〜〜。


役者は他に木場勝己など、いろんなジジイと女優がしっかり脇を固めた。


「バンビ〜ノ」でシェフを演じていた市村さん、ジャニーズの岡本健一兄さんが出てるので誰か来ないかなあ〜?と客席をちろちろ見ていたが、藤原竜也が見れてラッキー♪