BILLIE ('65 UA映画)

私が生まれるほんの2年前はこんな世界だったのか!という驚愕。
多分来年にはDVDが出るが、どうひどいかを確認したい方はレンタルするとよろし。
とにかく全面に「男は女に勝る。女は男に対抗意識など持たず、かわいらしくしているのが最高」というメッセージを押し出す。
理想像として描かれる女性はみな化粧が濃く、男のいいなりで、子をはらむ。
男女平等を信じるスポーツ万能の少女ビリーは、世間の「女性像」に自分をアジャストできないだけで「自分は男と女のあいのこ」と思い悩むが、恋をし「女になった」途端、好きな男のために大好きだった陸上競技をいとも簡単に放棄するのだ。
いや、はしょったが本当の結末は違う。
彼氏に「みんなに笑われるから陸上を辞めてくれ」と言われて怒ったビリーは試合で彼を圧倒するがその後虚無感に襲われる。後で彼が来て「悪かった。男女平等じゃない。君の方が僕よりベターだ」と言うとビリーは男の首っ玉に飛びつき「その言葉が聞きたかった」と言って陸上を放棄する、というものだ。

あまりのバカにされように、怒りを通り越して言葉がない。
この主人公ビリーは、もちろん「ウーマンリブ」はしりの時代に
女を恐れた男達が描いた理想像を、パティ・デュークに演じさせたものだが
これはまさに私の友らの今の状況じゃないか!
自分を追い込み、ちょっとおだてられ、愛されてると感じるとすーぐ男のムチャを聞いてしまう。

少し前に「私はとても家事を手伝う男だ」というので非難囂々の人が確かはてなにいたが、
そういう男らを育て、のさばらせるのは女なのだ。
女は母として、せめて息子をてめえのケツを自分で拭ける人間にしろよ。
いや、これはもちろん性を限定しない。
すべからく大人は、生んだ子供を大人にする義務があるのだ。
大人とは、自分で食い扶持を稼ぎ、自分の衣食住の面倒を見られる人間だろ。
そういう人は自由が得られるし、
そうでない子供は、自由が制限されるのだ。
(少なくともおれの常識はそうだ)
子供を産んでいないおれはせめて産んだ友達やその子供に、そう言いながら生きるのが
社会的義務だと思ってる。
…友達なくすんかな。