ランド・オブ・プレンティ 今更ですが。

ええと。「戦争の傷は宗教が癒します」という映画?
見えない敵に一人で戦いを挑み続けるポールおじさんもキチガイっちゃキチガイですけど、自分が実感として知る恐怖に対して実際的な手段を講じている点では、実にプラクティカルな人だと思う。まあ、それじゃ救われなかったんで宗教的「赦しなさい」の心が必要だったんだけど。
私はそれよりも、あんな恍惚の表情で「神様、ありがとう」といえるラナの方にちょっと背筋が寒くなりましたよ。しかも元を正せば同じ神を信じるユダヤ人とアラブ人とが殺し合う現場をさんざん見てきたはずのあんたは(しかもあんたの神様も同じヤハウェだ)いったい何を根拠にそんなに盲目的に神を信じられるのか。私には分かりませんでした。
大体アメリカ兵士だって「ゴッド・ブレス・アメリカ」と叩き込まれて「これが正義だ」と信じて戦争に出かけていくわけでしょ?ベトナムにもイラクにも神の正義を行いに行くのだと。


ということで結論。「やっぱ仏教Rules! 悟りを開きなさい。おててのしわとしわを合わせて南無〜」
映画の感想じゃなくてただのキリスト教アレルギーだわ。
あんたたちね、イラクまで五体倒置で進軍しなさい。そしたら誰も憎くなくなるよ。


まあ、それは置いといても、アメリカ人は、しかも一番見た方がいい肝心の共和党支持のレッドネックは絶対見ないだろう映画だな。こんなことは十分知ってるインテリ層しか見ない。そう考えると、この映画の存在意義がちょっと分からない。ってそんなものは大概の反戦映画がそうか。